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「毎年実施している避難訓練が役立った」福島県いわき市《アクアマリンふくしま》

施設運営事業

東日本大震災から今日で約2週間たちます。未だに行方不明の方々がたくさんいらっしゃいます。私たちアクティオ社員一同、被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。またこれから復興への長い道のりが続くと思いますがどうか希望を捨てず、より一層ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。

 

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そんな中でも少しずつ明るい出来事も報道されるようになってきました。被災地での、卒業式、合格発表、それに9日ぶりに救助された16歳の高校生と80歳の祖母。集まる救援物資やボランティア、やっと全員に食事が行きわたるようになったといいます。

そして時間が経つにつれて少しずつ震災時の状況が明らかになってきています。

アクティオが施設管理をさせていただいてる福島県いわき市の小名浜港に面した「環境水族館 アクアマリンふくしま」では、大地震が起きた11日午後2時46分には、館内にお客様約100人と職員80名がいました。最大4mの津波が押し寄せたと推定されるまでの約20分間の避難誘導の状況が毎日新聞に掲載されました。

その内容は、大水槽前の通路で防火用非常扉が閉まり混乱して行き場を失ったお客様に対し、冷静になるように促し非常階段へ誘導。またガラスが割れるなどした館内を興味本位で見ようとするお客様に対しても説得して脱出させ、職員自身の事より真っ先にお客様全員を屋外へ誘導しました。そしてお客様が自家用車で避難したのを15分後に確認できた、という事でした。のちに職員80人が外に出たところ目の前の海の波が急激に引き、やがて海面が盛り上がるのが見えました。だれかが「逃げろ!」と叫び非常階段を駆け上がった3階からみると津波が約200m先の堤防をのみ込み、職員たちの車十数台を押し流して1階に流れ込んだのです。

水族館で働く福島海洋科学館の職員さん、飼育員さん、みなさんの協力でお客様を1人も犠牲者を出すことなく、安全に避難させることが出来ました。冷静に誘導できた事に一同は「毎年実施している避難訓練が役に立った」と言っています。

ただ、水族館は電気設備が故障し、水温調節ができず、魚が飼えなくなりました。私たち人間の為に水族館にきてくれた魚をはじめ水辺にくらす生き物たちの命が20万匹犠牲になりました。しかし阪神淡路大震災の時、神戸市須磨区の「須磨水族館」では犠牲はあったものの、2頭のイルカが震災を乗りこえました。少しでも水族館に暮らす生き物の命が無事であることを願います。それと共に災害にあったのは人間だけではないことを忘れないようにしたいです。